SEO対策をする中でどれだけキーワードについて考えていますか?
ほとんどの方は漠然と狙いたいキーワードについて調べ、そして「順位が上がらない」と嘆いているのではないでしょうか。
あなたがホームページやブログのアクセスを増やしていきたいと考えているのであればキーワード戦略は不可欠となります。
ここでは、SEO対策のために必要なキーワードの考え方について解説していますので、ぜひこの記事を参考に集客アップを目指してください。
1 キーワード戦略の重要性
インターネットを使ってビジネスをしている方であれば、検索エンジンからの集客数が売上に関わってくることは実感していることでしょう。
検索エンジンは入力されたキーワードにふさわしい検索結果を表示しますが、キーワードによっては数百万、数千万というページが表示されることも珍しくありません。(下図は「プリンター おすすめ」で検索した場合であり、1700万件もの結果が表示されます)
英NetBoosterが公開した2014年の検索順位別クリック率データは以下のとおりとなっています。
1位 19.35%
2位 15.09%
3位 11.45%
4位 8.86%
5位 7.21%
6位 5.85%
7位 4.63%
8位 3.93%
8位 3.35%
10位 2.82%調査対象
• 対象キーワード数: 120万
• クリック数: 650万
• 表示回数: 311万
• ブランド数: 54 ※おそらくサイト数のこと※参考:海外SEO情報ブログ「検索結果1位のクリック率は19.35%、英NetBoosterの2014年版CTR調査」より
このデータを見ていただくといかに上位表示をすることの重要性がわかるかと思います。
あなたも経験があるのではないでしょうか。何か調べ物をしているときに、検索結果の1位はまず見るけれど2位以下のものについては無意識に選んでいるはずです。
このように、多くの検索ユーザーは上位表示をしているものについては「いい情報がある」と勝手に認識する傾向にあるため、クリック率が大きく変わってくるのです。
また、1ページ目に表示されるのと2ページ目以降に表示されるのとでも大きくクリック率が変わってきます。当然、1ページ目に表示されるほうが有利ですので、いかに検索結果で上位表示させることが重要かお分かりいただけるかと思います。
2 キーワードをどのように出していくか?
ユーザーが検索するキーワードは、その人の「欲求」を表しています。
悩みや課題を解決したいからキーワードを打ち込むのであり、そうした「○○という情報が欲しい!」という欲求を推測し、そのニーズを満たすコンテンツを用意しなければ集客できるはずがないのです。
2−1 ユーザーの欲求を知らずしてキーワードは探せない
そこで、まずは以下のようなユーザーの心理を考えキーワードを調べていくことになります。
スーツを販売している店舗場合
例としてスーツを販売している店舗を想定してみましょう。
多くの場合、「スーツ レノマ 人気」「スーツ 通販 格安」といったように、コンバージョンに近いキーワードを中心に考えがちです。
しかし、このようなキーワードは、今まさにその商品を必要としている「今すぐ客」とっては効果的ですが、今すぐ客だけを狙うのは競合が多く、顧客の奪い合いとなってしまい得策ではありません。
ユーザーが購買行動を起こす前には購買心理の変化があります。つまり購入するまでにどのようなことを考えているのかという心理を考えなければなりません。
①情報収集段階
ユーザーはスーツを買いたいと思っているが、どのようなブランドがあるのか、TPOに合ったスーツはどのようなものか、といった基本的な情報を収集しているが、この段階ではスーツを購入するかどうかは決まっていません。
キーワード:「スーツ 選び方」「おしゃれ スーツ」「面接 スーツ」
②検討・比較段階
①の情報収集でスーツの必要性を感じたユーザーが、次のステップとして自分に合ったスーツがどのようなものかを検討し、比較を行います。
キーワード:「スーツ 安い レディース」
③購入段階
この段階ではほぼ購入の意思決定をしており、①②で調べた情報をもとにスーツを購入しようとしいます。
キーワード:「スーツ 通販」「激安 スーツ」「スーツ 安い 東京」
購入段階が最もコンバージョンに近いキーワードですが、これまでの心理状態が変化した結果だということを知っておく必要があります。
このようにキーワードを広げていくことで、今はまだスーツを必要としていないユーザーに対してもリーチでき、早い段階からファンにすることでいざ「スーツを買いたい!」と思ったときにあなたのサイトに来てくれるのです。
まずはあなたの会社の商品やサービスを購入するユーザーが購入するまでにどのようなことを考えてキーワードを検索するのかを予想することがポイントとなります。
3 キーワードの集め方
コンバージョンに近いキーワードだけでなく、それまでの心理変化を考えた上でキーワードを考えることが重要だということをお伝えしましたが、とは言っても頭で考えても中々出てこないという悩みが出てくるのではないでしょうか。
キーワード戦略は10や20のキーワードを集めるだけでは不十分です。
とにかく多くのキーワードを集め、サイトのコンセプトに合わせて精査していくという作業が必要となります。
そのためには一日中頭を働かせてキーワードを絞り出すよりもインターネット上で情報を集めて取捨選択していくことのほうがはるかに効率的です。
そこで以下では実際に行っているキーワードの集め方を紹介していきますので参考にしてみてください。
競合サイトをリサーチ
まずは競合となるサイトをいくつかリサーチし、キーワードを拾ってみましょう。
先ほど例であげたスーツであれば競合サイトを見ていくことで以下のようなキーワードが拾えるかと思います。
「スーツ」「シャツ」「ジャケット」「ブラウス」「セットアップスーツ」「クールビズ」「着こなし」「ネクタイ」「ストレートチップ」など・・・
サイト内を満遍なくリサーチし、スーツについてだけでなくネクタイや靴、カバンに関することなど、関連するキーワードまで拾っていきます。この段階でも妥協せず、とにかくキーワードを見つけ拾い上げましょう。
複合キーワードを出す
競合サイトをリサーチしたら次はツールを使いキーワードを広げていきます。
例えば、「ネクタイ」と検索窓に入れたときに以下のようなキーワードのリストが出てきます。
これは実際にユーザーが検索しているキーワードであり、「複合キーワード」とよばれているものです。
「スーツ」や「ネクタイ」といったビッグキーワードを攻略することは非常に時間がかかりますが、複合キーワードを攻略していくことで上位表示が比較的容易でアクションにもつながりやすいという特徴があるので、SEO対策ではこうしたキーワードを選定していくことが重要です(ロングテールSEO)。
goodkeywordが簡単でおすすめ
複合キーワードを簡単に出すツールとしておすすめなのが「goodkeyword」です。
goodkeywordは会員登録なども必要なく誰でも簡単に使えます。
実際にgoodkeywordを使って「ネクタイ」と入力すると以下のような結果が出てきます。
このようにツールを使うことで簡単に複合キーワードを出すことができ、検索ユーザーがどのような内容を知りたいと感じているかを把握することができます。
Googleサジェストもよく使われている
goodkeywordと同様に、複合キーワードを出すツールとして「Googleサジェスト」があります。
これも自分の調べたいキーワードを入力することで関連を出してくれるのですが、goodkeywordとは異なり、五十音順およびアルファベット順に結果が出てくるため閲覧性が高いという特徴があります。また、検索結果についてCSVファイルで保存できるのも特徴であり、goodkeywordよりしっかりと分析したいと考えている人であればGoogleサジェストのほうがよいでしょう。
注意点として、Googleサジェストは結果が出るのに時間がかかることや、アクセスの集中により利用ができない状態が続くなどスムーズに使うには使いづらい部分もあるため、そうした場合はgoodkeywordを併用することをおすすめします。
キーワードを広げる
競合サイトからキーワードを拾ってきたり、goodkeywordなどのツールを使うことで複合キーワードを出したりしても、商品やサービスによっては十分な数を集めることができないときがあります。
あなたの扱う商品やサービスが美容系やファッション、健康関係などのメディアであれば私たちユーザーは馴染みのあるものであるためキーワードも見つけやすいでしょう。
しかし、BtoBで企業向けの商品を扱っている場合、思ったよりもキーワードが出てこないことがあります。
そのようなときは少し違った視点でキーワードを探してみることが必要です。
ここでは、キーワードが出てこないときにやっていただきたい方法をご紹介しますので、キーワードを集めるのに困っている人は参考にしてみてください。
検索する人の立場になって考える
例えば、オフィス移転の仲介している企業である場合、もちろんターゲットとなるのは「これからオフィスを移転しようと考えている企業」でしょう。
その場合、多くの人がやりがちなのは、「今まさにオフィスを移転したいと考えている人」をターゲットとしてしまうことです。
2 キーワードをどのように出していくか?でもお伝えしましたが、ユーザーが購買行動(この場合はオフィスを移転するという行動)を起こす前に、①情報収集段階→②比較・検討段階→③購入段階というプロセスを経ます。
そのため、キーワードを広げるには①情報収集段階の人の気持ちをもう少し広く考えていく必要があります。
そうは言っても「オフィスの移転についての情報を収集してる人の気持ちを考えているんだけど」という声が聞こえてきそうですが、その人が何を普段考えているのかを深堀りして考えてください。
オフィスの移転を検討している人(会社)はなぜオフィスの移転をしたいと思っているのか?
「従業員が増えてきてスペースが狭くなってきた」「賃料が高すぎる」「立地が悪い」。こうした理由が多いと思われます。
では、このような悩みを感じている企業に対し「オフィスの移転についての情報」だけを提供することが果たしてベストなのでしょうか。
もちろん、どうしても今移転したい!と考えている企業は「今すぐ客」であるため、オフィス移転のノウハウや情報を提供することが望ましいでしょう。
しかし、スペースが狭いことや賃料が高いことに対して不満を感じているのであれば、「どうすれば今のスペースで効率的に働けるか」「交渉して賃料を安くできないか」という発想ができるはずです。
そうした場合、オフィスのレイアウト術や賃料の交渉術についてのコンテンツを用意することで、今は移転しないがいずれはしようと考えている層にまでリーチすることができます。
他にも、オフィス家具の選び方や快適なオフィス作りをする方法など、一見遠いと思われるキーワードを攻略することも将来的には顧客につなげることができるのです。
このように、あなたの扱っている商品やサービスがニッチなものであっても、それを利用する人の気持ちに寄り添うことでキーワードを広げることができるので、ぜひやってみてください。
KeywordPlannerを使う
もう一つはKeywordPlannerを使うことでキーワードを広げることができます。
KeywordPlannerとは、Google Adworsの機能の1つで、キーワードの月間検索数や競合性を調べたい時に利用するツールです。
本来はリステング広告(PPC広告)に出稿したいと考えている人が利用しますが、SEO対策としてキーワード戦略を考えるときにも効果的です。
キーワード戦略では最初にとにかく多くのキーワードを出すことが重要となります。
出したキーワードについては検索数(後述)とともにExcelで管理をすることをおすすめします。
追加したいキーワードが増えたり、担当者が変わったりしてもExcelで管理しておくことで誰が見ても分かりやすいものになります。
4 キーワードを集めたら検索数を出す
ここまでやっていただければ、あなたの商品やサービスを購入してくれるユーザーが検索するキーワードはほとんど出し尽くせたかと思います。
次に、これらのキーワードの月間検索数を出していきます。
検索数は先ほど紹介したKeywordPlannerを簡単に出せます実際にやってみてください。
5 キーワードを取捨選択しカテゴライズしよう
ここまで行ったら次はキーワードの精査を行います。
goodkeywordなどのツールで複合キーワードを出した場合、商品やサービスの購買層には遠い(購買する人は検索しないであろう)キーワードが出てきます。
そうしたキーワードについて取捨選択し、それらをカテゴリーごとに整理をしていきます。
不要なキーワードの削除
例えば、分譲マンションを販売している会社であれば「マンション」というキーワードの複合キーワードを出していくことになるかと思いますが、「マンション管理士」について顧客となる人が調べることはないかと思われます。
こうしたキーワードについてのコンテンツは不要なので削除します。(下図のように色をつけて管理するとわかりやすいでしょう)
このようにターゲットとなるユーザーにとって関係のないものを除いていくことで、より精度の高いキーワードリストを作成することができます。
ちなみに、チームでこの作業を行う場合は完全に削除せず、図のように色をつけて他のメンバーに確認してもらうなどするとより確実なものとなるでしょう。
キーワードをカテゴライズする
さて、ここまでできたらほとんどキーワード戦略は完成したと言ってもよいでしょう。
実はキーワードの取捨選択をした時点で、あとはそれらのキーワードについてコンテンツを作成していけば自然とサイトに集客することができます。
しかし、キーワードをカテゴライズすることで情報を求めるユーザーにとって有益なコンテンツを作成することができるのです。
キーワードを3種類に分類する
集めたキーワードを「Knowキーワード」「Goキーワード」「Doキーワード」の3つに分類します。
◼︎Knowキーワード
Knowキーワードとは、ユーザーが「知りたい」と思うときに検索するキーワードのことです。
・マンション 相場
・脚やせ 方法
・中古車 相場
など、ユーザーの目的は「知る」ことであり、この段階では検索ユーザーが「情報収集」をしているだけなので、まだ具体的には商品やサービスの購入は決まっていません。
しかし、検索ユーザーが検索をする理由のほとんどが自分の悩みや課題を解決するためであるため、サイトへの流入のほとんどが「Knowキーワード」によるものです。
検索から売上につなげるためには、コンバージョンに近いキーワードばかりではなく。この「Knowキーワード」を攻略していくことが重要となるのです。
◼︎Goキーワード
Goキーワードとは、すでに目的がありそのサイトに「行きたい」と思うときに検索するキーワードのことです。
・価格.com
・Youtube
・twitter ログイン
など、最初からそのサイトに目的があって検索をするものであり、サイトを始めたばかりで知名度のない状態ではDoキーワードでの流入はほとんどないでしょう。
しかし、Goキーワードは検索キーワードに「サイト名」「ブランド名」「商品名」などの固有名詞が含まれているため、このキーワードで流入した人はかなりコンバージョンに近いユーザーといえます。
◼︎Doキーワード
Doキーワードは「〜したい」「〜する」とニーズを持ったユーザーが調べるキーワードです。
・資料請求をしたい(する)
・相談したい(する)
・ビデオを視聴したい(する)
キーワードとしては次のように調べられるでしょう。
・マンション 資料請求
・税理士 相談
・hulu 視聴
これらは具体的に自分がこれから起こす行動を表しているのがわかります。
Doキーワードを見つけるには「通販」「体験」「資料請求」「相談」「依頼」など、行動を表すキーワードが含まれているか注目してください。
さらに細かくキーワードを分類する
集めたキーワードを「Knowキーワード」「Goキーワード」「Doキーワード」の3つに分類したらさらに細かくキーワードを分類していきます。
先ほど、サイトへの流入のほとんどが「Knowキーワード」ということをお伝えしましたが、同じ「Knowキーワード」でもユーザーが知りたいと思う内容は異なります。
例えば、法人税に関するキーワードについて考えてみましょう。
「法人税とは」「法人税 国税」「法人税 税率」「法人税 計算」「法人税 節税」「法人税 免除」「法人税 還付」
これらはすべて法人税についてのKnowキーワードですが、同じ法人税を調べていてもニーズは異なり以下のように分類できます。
「法人税とは」「法人税 国税」②法人税の計算をしたい
「法人税 税率」「法人税 計算
③法人税をなるべく払いたくない(節税したい)
「法人税 節税」「法人税 免除」「法人税 還付」
このようにKnowキーワードについてさらに細かく分類することで、ユーザーがどのような情報を求めているのかを整理でき、適切なコンテンツを用意することができるのです。
まとめ:入念なキーワード戦略がビジネスの勝利をもたらす
キーワード戦略を考えることはユーザーが何を求めているのかが明確にすることです。
SEO対策の基本は「ユーザー目線」で考えることであり、戦略なくしてあなたのビジネスを成功させることは難しいでしょう。
キーワード戦略を考えたらコンテンツの作成に取り掛かりましょう。
ここでも「ユーザー目線」のコンテンツを意識していく必要があります。
コンテンツについての考え方を知りたい方はコンテンツSEOで圧倒的に集客しユーザーに感謝される方法を一読してみてください。